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趣味って大事よね!

趣味って大事よね!

William Optics 2”DIELECTRIC Diagonal

ウイリアムオプティクス 2インチ「ディ・エレクトリック」天頂ミラー

(William Optics 2”DIELECTRIC Diagonal)



 星見人さん愛用のシュワルツ150(改、と書くのが正しいだろうな。笑)で、2インチミラー、31.7mm天頂プリズムと比較してみた。対象は二重星団。月齢21.5の月がさんぜんと昇ってきているが、天の川がばっちり見える空。火星もよく見え、シーイングもなかなかの夜。

 二重星団に向けた後、まずはWOに差し替えて、シュワルツのオーナーで屈指の鋭眼を持つ星見人さんが見る。

 「えっ?明るい!」
 「どれどれ。きれいだねぇ。」
 「いや全然明るいよ」
 「そうなの?」
 「差し替えてみようか?」
 「うん。お願い。」
 「どうぞ」
 「あらま。」

 まず目に付くのは、星像の違いだ。WOがすごくシャープなピンポイントの星像なのに比べて、元の2インチミラー(たぶんSYNTAだったと思う)の星像はあきらかにうるさい。イメージで話すと、光軸の狂った反射望遠鏡とフローライト屈折みたいな感じ。元の2インチミラーも、その夜のそこまでの観望で十分な力を発揮していたのに。。。フォーカスを調整しても、WOはスパッと端から端までピシッと決まっているのに、元の2インチミラーはスポット的な合い方しかしない。端に行くとだれる感じ。面精度やハウジングの違いというところだろうか。

 次が明るさの違いだ。明らかに微光星が増え、明るい星が輝きを増す。そこそこの双眼鏡と良い双眼鏡を見比べたときみたいな感じ。見ているそばから、微光星がフツフツと湧いてくる、あの背筋がゾワッとして言葉を失う瞬間に通じるものを感じる。反射率99%はだてじゃなかった。おそらく元の2インチミラーは90%前後か。正直、眼視でここまで差がでるとは思ってなかった。

 「ほぅ。こんなに違うもんなんだねぇ」
 「いやいや恐れ入った」
 「良い双眼鏡を覗いたときの感覚に近くない?」
 「そう。そんな感じ!」
 「そうかあ。ちょうどTMBスーパーモノを試したときの感じに似てない?」
 「うん」
 「明らかに一皮むけたっつー感じだもんね。これでTMBと組み合わせたら、
  望遠鏡フルパワーっつーことだろうねぇ。」
 「そう思う」
 「まだ奥があったのねぇ。」

 次が31.7mm天頂プリズムとの比較。
 星像はなかなかシャープ。崩れも目立たず、どちらかというとWOに近い。プリズムは加工精度が出しやすいことによるものだと思った。明るさはWOよりも若干暗いがそこそこかな。ただ、全体的にベールを一枚かぶったような印象になった。アッベオルソとLVを比べたときのような感じ。少し眠くなった気がする。光路上の反射面による光量のロスによるものかな。


 結果をおさらいすると、「WO>31.7mm天頂プリズム>2インチ天頂ミラー」。

 WOを覗いてしまうと、二度と戻れないっつーぐらい違う!

 これが電気蒸着で「落として壊さなければ一生もの(Mr.Daniel談)」となると、言うことなしですな。テレビューのエバーブライトよりも断然安いし。(注:国内価格はもちろん。国際価格でも。)(^^)

 ただ、忘れてはいけない(特に初心者の方たちに忘れてほしくない)のは、比較対象とした2インチミラーも安価に2インチをはじめるための選択肢としてはとってもリーズナブルなものだと思いますし、望遠鏡についてくる31.7mmの天頂プリズムもなかなかのものだと思います。
 お金を出せばよいものが買えるっつーのは当たり前の話ですが、ただ買えば同じものが見えるかっつーと、そうも行かないのが、この世界です。私と同じく庶民の方は、まずはご自分の機材をチューニングして、ひたすら見て目を鍛えましょうね。よいものを生かすも殺すもオーナーさん次第ですよ。(^^)

 ちなみに、WOでのシュワルツのピント繰り出し位置は、2インチミラー(9mmぐらい)と比べて、+2.5cmぐらい外(引き出し)でした。現在ピントが一杯の機材を使っている方はご注意ください。以前、Sky90で試したときは、スリーブが視野回転装置にぶつかったので、同装置を外して使いました。その状態でSWAN40mmでピントがでました。視野回転装置に干渉しなくてもはずさないと、ピントがでない(内側)かなぁ、という感じでした。ご参考まで。


 まもなくWilliam Optics製品はもっと日本から気軽に購入できるようになるらしいですが、詳報は後ほど。笑。
 現在は笠井トレーディングで扱ってくれているので、個人輸入が苦手な方は笠井さんところでどうぞ。単品で買うなら、もろもろの手数料も含めると、笠井さんところとほぼトントンのお値段になるはず。アフターがついてるし、余計なトラブルや心配もないしね。笑。
 笠井さんとこの製品は、トミタも扱っているので、九州はいうに及ばず、西日本で買うならトミタで買いましょう!おまけしてくれるかもよ。(^^)

 #何?トミタの回し者か?いいのよ。いいショップを勧めて何が悪い?笑。


 隣国である台湾でこんなにいい製品を作っていることは、同じアジア人として誇りに思える。光学大国ニッポンも負けていられないなぁ。

 新製品にフリップミラー(便利だけどね。天プリの方が像がいいもん。)だけしかつけていなかったり、2インチにするために特殊なアダプタがいる製品じゃ話にならないッスよねぇ。ちまちま国内で売ることよりも、世界に向けてドーンと売ることを考えて、しっかりとした自信作(高価なっつーことではありません)を作ってほしいです。よいものはきっと売れますよ!>メーカーさん

ウイリアムオプティクス 2インチ「ディ・エレクトリック」天頂ミラー
William Optics 2”DIELECTRIC Diagonal

2005.08.27記


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